【2024年6月議会一般質問】平塚市に聞いた6つのこと ―ふるさと納税・粗大ごみ・DVカード・観光地修繕・ひばり幼稚園・慰霊塔―

2024年7月17日

こんにちは、平塚ユーチューバーしんこと元島しんです。議員になって1年、「予算化が必要なものは実現が難しいが、予算化しない、無料に近い提案は実現しやすい」ということが分かってきました。今回はそんな視点も踏まえ、一般質問で取り上げた6つのテーマをレポートします。

1.ふるさと納税、平塚市の流出額は約4.5億円

平塚市のふるさと寄附金は、令和4年度で寄附額1億435万円に対し、流出額5億6077万1000円。差し引き約4.5億円の流出が続いています。ポータルサイトの掲載数も、平塚市の5つに対し茅ヶ崎市9つ、藤沢市12、小田原市14と大きく差があります。

  • 納税額アップの取組:市ホームページのメインビジュアルでの返礼品掲載、ポータルサイトのメルマガ会員へのDM、観光マップ掲載、イベントでのブース出展のほか、商工会議所と連携した返礼品登録セミナーや、委託業者による電話・訪問営業を実施。返礼品は373品目(令和5年5月時点から92品目増)。
  • ポータルサイトが少ない理由:手数料や委託業者とのシステム連携の可否を検証しながら、効果が見込めるサイトを順次拡大する方針で、具体的な目標数値は持っていないとのこと。
  • 委託業者への手数料:寄附額の20%以内に収まるよう歩合制で設定。
  • 流出対策:流出額が寄附額の増加ペースを上回っている状況を踏まえ、市民に正確な情報を伝える準備を進めているとの答弁。

再質問では、全国トップクラスの受入額を誇る宮崎県都城市がYouTube公式チャンネルでPR動画を展開している事例や、北海道紋別市のYahoo!ディスプレイ広告の活用事例を紹介し、平塚市の動画PRやネット広告の活用について尋ねました。回答は「他市の事例を研究したい」「有効なPR方法を調べながら対応していきたい」というもの。東京都大田区のような流出啓発ページの設置についても聞きましたが、これまでは寄附を増やす方向に力を入れてきたとした上で、流出についての情報発信は準備を進めているとの答弁でした。

2.メルカリShopsで粗大ごみをリユース、平塚市でもできないか

三島市はメルカリShopsで粗大ごみを販売し、令和5年9月の開始から令和6年4月末までに74万9000円を売り上げ、手数料等を引いても66万7500円の収入を得ています。神奈川県内でも横須賀市・鎌倉市が同様の取組を始めています。

  • 平塚市のごみ排出量:令和4年度で市民1人1日当たり818.2グラム、県内人口10万人以上15市中6番目に多い状況。
  • 粗大ごみのメルカリ販売:市民から一般廃棄物処理手数料を受け取っているため、民間事業者を通じた販売は予定なし。
  • 市の備品の活用:使える備品は庁内で再利用しており、不用品はほとんど発生していない。利用のない備品は入札等で市内業者に売却。

再質問で、山形市が最低出品価格300円均一でメルカリに出品している事例を紹介し、収益が出なくても処分量減少につながればよいのではと提案しましたが、「市民からお金を頂いているものを市が販売する予定はない」との回答。一方で、メルカリやジモティーの活用を市ホームページでPRしリユースを促す考えは示されました。学校統廃合などで大量の備品が出た場合のネット売却についても、「他市の事例を研究していかなければならない」との答弁でした。

3.男性トイレへのDV・妊娠相談カード設置、進捗は

昨年6月議会で要望した、男性トイレへのDV相談・妊娠相談カード設置。進捗を確認しました。

  • 市庁舎本館の全ての男子トイレ手洗いカウンターに、市作成の男性向けDV相談カードを設置済み。
  • 利用の多い1階・2階の男子トイレには、妊娠SOSかながわ・性犯罪被害者相談の案内ポップも掲示済み。

再質問で設置完了の見込み時期を尋ねましたが、県提供カードの在庫状況などから明確な時期は示されず、「できるところから施設管理者と協議しながら進めていく」との回答。公共施設全体への展開についても、利用者層を見ながら検討していくとのことでした。DVについて「令和2年度時点で女性の約4割、男性の約6割が誰にも相談していない」というデータも共有し、引き続き設置拡大を要望しました。

4.観光地としての平塚、細かな修繕を

湘南平の和式トイレ、駅前パネルの故障、追分交差点地下道の元噴水箇所の穴について、修繕予定を尋ねました。

  • 駅前パネル:国土交通省京浜河川事務所が設置した河川情報表示板で、表示部破損のため放映中止中。対応は検討中とのこと。
  • 湘南平のトイレ:令和5年度にレストハウス内トイレは全て洋式化済み。令和6年度は頂上エリア屋外トイレの女子便器1基を洋式化予定。現状、山頂屋外トイレは女子和式5(うち1基を今年度洋式化)・男子和式2、駐車場屋外トイレは女子和式2・男子和式1が残っている。
  • 追分交差点地下道の元噴水箇所:昭和46年に神奈川県が設置。現在は蓋をして立入り不可としており、修繕・活用の予定はなし。市から県への修繕依頼の記録もなし。

再質問で洋式化の目標時期や費用試算の有無を尋ねましたが、いずれも「目標年次は持っていないが継続して取り組む」「公園全体の試算はしていない」との回答。追分地下道についても、県施設のため市からの試算依頼はしていないとのことでしたが、担当部長は現地を実際に確認済みとのことでした。和式トイレは妊婦や高齢者、筋力の弱い方に負担が大きいことも指摘し、早めの修繕を要望しました。

5.ひばり幼稚園の存続と申込方法の改善

公立幼稚園・保育園の民営化・統廃合方針の中、障がいのある子もない子も共に育つインクルーシブ教育の場であるひばり幼稚園の存続を求めました。入園希望者が来年度5名未満(再来年度は4名未満)の場合、入園休止・翌年の募集中止となる仕組みで、申込方法は11月1日に直接園へ紙で提出する方式のみです。

  • ネット申込みや期間延長:願書受付時に子ども同伴での面談(健康面の配慮事項や好きな遊びの聞き取り)を行うため、ネット申込みは考えていない。ただし受付日に応募が5人以上いれば、定員に達するまで受付を継続。
  • 幼保こ小接続カリキュラム:昨年度、幼保小連携調査研究部会で「平塚市公立園・小学校架け橋期のカリキュラム」試案を作成し、公私立の園・小学校へ配付・説明済み。今後は「かけはし通信」の作成・周知を進める。
  • 乳幼児教育センターの設置:秦野市のような設置予定は今のところないが、先行事例の情報収集は行う。

再質問では、子どもや保護者が体調不良で11月1日に行けない場合の対応(教育委員会や園への連絡で個別調整、翌日受付も実例あり)や、公式LINE・SNSでの申込み周知(体験保育の様子などは既に周知中で継続予定)を確認しました。公立・私立、園の規模による小学校への引継ぎの差については「差異はない」との回答でした。

6.八幡山公園の平和の慰霊塔、再整備計画は

昭和40年(1965年)竣工の平和の慰霊塔は老朽化により、今年度予算に解体費用が計上されています。建設時は約1000万円(現在価値で約2000万〜4000万円)のうち約3分の1が市民からの寄附で賄われた歴史があります。

  • 再整備計画:令和6年度下半期に一部解体、令和7年度に再整備予定。井桁接合部のコンクリートは脆弱で主軸の鉄筋が腐食しており修繕不可能と判断。象徴的な井桁積みの塔部分は解体するが、地下の奉安室と最上部の「平和の炎」部分は状態を確認しながら極力維持する方向。
  • 遺族会とのやり取り:2か月に1回程度の定例会で情報共有。令和5年11月14日には遺族会代表と部長級による「平和慰霊塔再整備検討会」を開催し、「地下奉安室など使える部分をなるべく残してほしい」という意見を受けている。
  • 市民の声を聞くプロセス、クラウドファンディング活用:遺族会の意見を十分に確認し、設置経緯や趣旨、財源のありようも考えながら進めるとの回答。

再質問で、井桁部分の高さを下げて倒壊リスクを減らした上で一体として残せないか提案しましたが、「接合部・鉄筋の腐食で安全性が保てないため撤去する」との回答でした。

まとめ

今回の6テーマはいずれも「予算をかけずにできる改善」という視点で切り込みましたが、答弁の多くは「他市の事例を研究する」「準備を進めている」という段階にとどまっています。ふるさと納税の流出対策、粗大ごみのリユース、トイレのインクルーシブ化、ひばり幼稚園の申込方法――どれも市民の暮らしに直結するテーマです。引き続き進捗を確認していきます。