【2024年12月議会一般質問】平塚市に聞いた5つのこと ―駅前将来構想・市民活動拠点・産後ケア・保育士の職場環境・SNS運用―

2024年12月29日

こんにちは、元島しんです。今回の一般質問では、平塚駅周辺の将来構想から、公共施設の休館対応、産後ケア、保育現場の職場改善、市のSNS運用まで、5つのテーマを取り上げました。答弁の内容も含めてレポートします。

1.平塚駅周辺の将来像「みんなのリビングに」

平塚市は令和6年度末までに「平塚駅周辺地区将来構想」を策定する予定で、コンセプトは「平塚駅周辺地区をみんなのリビングに」。にぎわいやときめきを生むまちを目指す構想ですが、具体的に何を指すのか、駅前の将来像について質問しました。

  • にぎわい・ときめきの中身、リビングの方向性:住む人、働く人、遊びに来る人、起業する人など様々な人が関わり合い、お気に入りの空間や体験を見つけられるまちを目指す。飲食店やコワーキングスペースの機能誘導、道路・広場の活用の仕組みづくりを進めるとのこと。
  • 人口増・乗降客数の目標:具体的な数値目標は設定していない。民間開発を誘導し、住居つきビルを含む低層部への商業機能導入でまちの活性化につなげる考え。
  • 駅前の大規模駐輪場:駐輪場の適正配置は必要と認識しており、交通機能分担や既存駐輪場の在り方を今後総合的に検討するとのことでした。

再質問では、駅前に子ども広場や路上ライブスペース、マルシェを開ける場所など具体案を求めましたが、「今後検討していくもの」との回答にとどまりました。既存の商店街・開業者への支援拡充については、将来構想に見合った補助金制度への見直しを検討中とのこと。ベンチや客用自転車の店頭設置についても「話し合いながら進めるもの」との回答でした。

現行の補助金が1階のみ対象となっている点を指摘し、2階・3階への拡大を要望(現状は1階の閉店が街の印象に与える影響が大きいため1階中心とのこと)。また、郊外の市営住宅向け補助金を駅前マンションに充てる案も提示しましたが、「公有地が少なく民間開発が中心のため実現は難しい」との答弁でした。

2.公共施設の休館・閉館中、市民活動の代替施設は

令和8年3月末に勤労会館・青少年会館が閉館、10月1日から中央公民館が休館、令和8年6月から令和10年2月まで中央図書館が改修のため休館となります。この間の市民活動・自習スペースの代替案を確認しました。

  • 勤労会館・青少年会館:令和8年4月供用開始の統合施設を含む市内公共施設の利用を案内。
  • 中央公民館:地区公民館の利用を調整中。大ホールはひらしん平塚文化芸術ホールなど類似施設情報を集約して案内予定。
  • 中央図書館:駅周辺に民間施設を借り上げた暫定の代替施設設置を検討中。

市内には25の地区公民館をはじめ多くの公共施設があり、市民活動の場所が不足しないよう取り組むとの答弁でした。

再質問では、代替案の一つとして市役所食堂や議場の市民開放を提案しましたが、「行政サービスや個人情報を扱う建物であり、セキュリティ確保や安全管理の課題がある」との回答。駅前図書館の開館時期は民間施設との最終調整段階、蔵書量は今後スペースを見ながら調整とのこと。常設化については「現時点は暫定利用の想定だが、将来の図書館分館に向けた準備として今回のデータを検討材料にしたい」との答弁でした。

3.産後ケア事業、拡充と国の補助金活用は

産後1か月は心身ともに不安が大きい時期です。妊娠中からの関係づくりの重要性や、東京都三鷹市の妊婦全数面談による産前からのハイリスク妊婦把握の取組を踏まえ質問しました。

  • 産後ケア事業の案内・利用状況:ネウボラでの面接時や産科医療機関でのチラシ配布、市ホームページで周知。現在16事業者が実施し、令和5年度利用者は97人。希望者全員が利用できている。
  • 産前からのサポートの効果:母子健康手帳交付時に妊婦全員と面接し、ハイリスク妊婦には早期からの支援を実施。産後の不安軽減につながっているとの認識。
  • 国の補助金(1回2500円、所得制限なし)の活用:令和5年1月の事業開始から約2年が経過し、利用者・事業者のニーズや国の制度変化を踏まえ、自己負担額や公費負担額の設定について調査研究を進めるとの回答。

平塚市の産後ケア利用料は1泊2日で1万8000円と、鎌倉市・逗子市(1万2000円)や寒川町・茅ヶ崎市(5000円)より高めです。再質問で「国の補助金なので独自予算を組まなくても着手できるはず、なぜやらないのか」と重ねて尋ねましたが、「補助金にも裏負担があり、国庫があるから必ずやるわけではない」との回答。調査研究の期限を尋ねると「随時ニーズ調査を行っていく」とのことでした。

利用対象期間についても、平塚市は産後4か月未満に対し、茅ヶ崎市・小田原市は産後1年未満と8か月長く設定されています。期間延長や、まずは6か月未満への段階的拡充を提案しましたが、「産後パパ育休応援交付金やこんにちは赤ちゃん訪問など複合的な子育て支援の中で見直しを検討したい」との回答でした。

4.保育士が保育に専念できる職場環境づくり

公立認定こども園への聞き取りから見えた課題を取り上げました。現状、公立園にWi-Fiがなくパケット通信で運用しており、記録アプリ「コドモン」の読み込みが遅いなど業務に支障が出ています。また事務員が配置されておらず、延長保育料は現金の直接徴収、非常勤職員の給食費も現金でのやり取りとなっています。

  • Wi-Fi設置・コスト比較:設置に向けて既に対応を検討中。パケット料金とのコスト比較は行っていないが、運用面の見直しも含め検討している。
  • 事務員配置:会計年度任用職員等の配置を含め、既に対応を検討中。
  • 延長保育料のキャッシュレス化:キャッシュレス化も既に対応を検討中。延長保育料の請求・督促は保育課職員が行い、集金作業自体は収納率向上と保護者負担軽減のため各園で実施。
  • 非常勤職員の給食費の引き落とし:公金扱いとなるため、法的な扱いを含めて検討中とのこと。

再質問では、私立園でのWi-Fiルーター複数設置やiPad十数台導入の事例を紹介し、平塚市の保育DX化の最終目標を尋ねましたが、「保護者・職員の負担軽減とより良い保育環境の整備」という方向性が示されるにとどまりました。事務員の巡回配置(2人で8園を巡回する案)については「一つの案として」受け止められ、ICT化による事務量削減と合わせて総合的に判断するとのこと。非常勤職員給食費の給与天引きも法的検討中との回答でした。最後に、事務負担の少なさを保育士採用のPR材料にできないか尋ね、「今後PRできればいい」との答弁を得ました。

5.平塚市の未来を担うSNS運用

スマートフォン所有率が97%、70代でも9割超という調査を踏まえ、市の制度周知の要となるSNS運用の実態を確認しました。

  • 運用ガイドライン:X・Facebook・YouTube・Instagram・LINEの5媒体を「平塚市ソーシャルメディア利用ガイドライン」に基づき運用し、アカウントごとに運用ポリシーを設定。
  • 防災ひらつかの運用:X(平常時は防災・国民保護情報、災害時は生命・財産保護を優先した発信)とYouTube(防災啓発動画)を活用。運用管理者は危機管理課長・災害対策課長。
  • アカウント数:Instagram2個、X16個、Facebook4個、LINE1個、YouTube27個。
  • 数値目標:防災ひらつかチャンネルの動画再生回数以外、市が定める数値目標はなし。「数値にとらわれず適切なタイミングでの発信を重視」との方針。
  • ショート動画・TikTok:YouTubeショート・Instagramリールは導入済み。TikTokは撮影・編集の人手や時間の課題から現時点で導入予定なし。
  • パブリックコメントの意見数を指標にする案:現状は広報ひらつか・市ホームページ・公式LINE・神奈川県電子申請システムで周知しており、引き続き様々な媒体で周知強化を図る考え。
  • 記者会見のYouTube配信:主催する平塚記者クラブの意向を踏まえ、現状は市長説明部分を湘南ケーブルネットワーク経由で配信し、質疑応答を含む全内容は文字情報として市ホームページに当日公開する方針を維持。
  • 広告運用:シティプロモーション実施計画に基づき、東京23区・横浜市・川崎市の子育て世代(20〜40代)をターゲットに、委託業者がAIを活用して運用。
  • 湘南ひらつか織り姫の活用:X・Facebook・Instagramで七夕まつりや観光情報を発信中。SNS発信ができる人を織り姫選定の加味事項とし、若い世代・海外向けの発信も実施。
  • 炎上対策:投稿前に世相との整合性、内容・言葉の適切さ、個人情報の有無、タイミングを確認。

再質問では、近隣市とのフォロワー数比較分析(数値目標は持たず内部把握のみ)、職員向けSNS講座(現状未実施)、フォロワー数の年間目標設定(「事業の進み具合をはかるものではない」として設定予定なし)を確認。インスタグラムのリール動画をTikTokへ転用する案には、「TikTok利用者に定期的に質の高い動画を提供しなければ効果が薄い」との回答でした。画像投稿のみでもTikTok運用は可能である点も指摘し、検討を求めました。炎上時の対応体制については、各課のアカウント運用を基本としつつ、広報課が全体を見て管理していく方針が示されました。

まとめ

駅前の将来構想、公共施設の休館対応、産後ケア、保育現場の職場改善、SNS運用――どれも「既に検討中」「調査研究を進める」という段階の答弁が目立ちました。特にWi-Fi設置や延長保育料のキャッシュレス化、産後ケアの補助金活用など、現場の負担軽減に直結するテーマは、検討の進捗を継続して確認していきたいと思います。