【2025年12月議会一般質問】―神大跡地と競馬組合撤退・市民活動支援・ごみ袋有料化・DX/AI・SNSとLINE活用―

2026年1月17日

こんにちは、元島しんです。今回の総括質問では、神奈川大学湘南ひらつかキャンパス跡地への川崎競馬組合の移転断念、市民活動の場となるホール・公民館の課題、ごみ袋有料化の検討、市役所内のDX・AI活用、SNSとLINEの運用まで、5つのテーマを取り上げました。答弁の内容も含めてレポートします。

1.神大跡地への競馬組合移転断念、真相と今後は

川崎競馬組合が、神奈川大学湘南ひらつかキャンパス跡地へのトレーニングセンター移転を突然断念しました。「敷地が狭い」という理由は、以前の優先交渉権者選定時の図面と矛盾しているように見え、市長も「大変不可解」との認識を示しています。

  • 経緯:10月29日に組合から移転断念の報告があり、市は11月10日に断念の撤回と協議再開を書面で要望。11月19日に組合から「再考しかねる」との回答。
  • 予算上の実支出:都市計画手続に必要な相談などは行ってきたが、この事業に関わる予算として個別に計上・支出したものはなし。
  • 固定資産税の取扱い:賦課期日である1月1日時点の現況に即して課税要件を判断し、地方税法など関係法令に基づき適正に対応する方針。

再質問では、南側の土地を含めた敷地拡張の可能性を市が最後まで交渉したか確認しましたが、「拡張の可能性は打診したが、経営判断として再考しかねるとの回答だった」との回答。必要な敷地面積そのものは組合から明示されておらず、トラックの規模や坂路の長さの観点から拡張には限度があったとの説明でした。地元住民向けの市長主催の説明会については、「事業の主体は大学と組合であり、市主催の説明会は難しい」との回答。失われた固定資産税収の試算については「行っていない」とのことでした。

2.中央公民館休館の代替、文化芸術ホールの柔軟な活用は

中央公民館の休館を控え、受け皿となるひらしん平塚文化芸術ホールの活用状況を確認しました。

  • 令和6年度の稼働率:大ホール62.1%、多目的ホール67.3%、大会議室A77.5%・B72.6%、小会議室72.3%、大練習室92.5%、小練習室1が62.2%・2が79.5%、和室36.6%、文化芸術支援室32.9%。
  • 北側駐車場の開放:大ホール・多目的ホール利用者専用としており、一般開放は考えていない。
  • 大ホールの区切り貸し・料金減免:大ホール利用は一体で負担いただくものであり、区切り貸しによる減免は考えていない。
  • 会議室・練習室の最低料金:午前区分(9時〜正午)で大会議室Aが1200円、Bが1000円、小会議室1000円、大練習室1900円、小練習室800円、和室1000円、文化芸術支援室1200円。「適正であり値下げは現時点で考えていない」との回答。
  • 民間施設活用による代替:美術館・図書館の休館が重なりギャラリー・ホール不足が見込まれるため検討・調整中。

再質問では、稼働率約70%の裏返しとして残り30%を市民向けに安く貸し出せないか尋ねましたが、「受益者負担の観点から市民という理由のみでの減額は検討していない」との回答。舞台のみ・自明かりのみといった限定的な利用方法についても「一部利用の設定はしていない」とのこと。1時間単位での貸し出しについても「現在は検討していない」との回答でした。

北側駐車場については、ホール建設時の住民説明会で近隣から騒音・安全面の懸念が出され、「一般利用に供さない」と説明した経緯があるため難しいとの回答。ただしキャンセル料については「一定期間内なら全額返金している」ことが確認され、近隣市との相互利用協議は「行っていない」とのことでした。利用者アンケートについては毎回実施しており、答弁の中で「特に改善した点はない」としていた点は、後刻「会議室等の申込み期限を2日前から当日までに緩和」「月3回までの利用制限を廃止」の2点が改善例として訂正されました。

3.指定ごみ袋の有料化検討、市民負担とタイミングへの懸念

平塚市はごみ袋の有料化について研究段階にあります。物価高が続く中でのタイミングや、地域へのしわ寄せへの懸念を伝えました。

  • 有料化のメリット・デメリット:国の手引きでは、分別意識向上による減量化・資源化促進、負担の公平性確保などの効果がある一方、指定袋以外での不適正排出や不法投棄が課題とされている。
  • 不法投棄対策:啓発看板での注意喚起、排出者の特定・指導、警察との連携で対応。

再質問では、ごみ袋を無料としている現状自体が全国的にも珍しく評価に値する政策ではないかと投げかけましたが、「特に市民からの評価の声は伺っていない」との回答。有料化の議論が進む際の市民アンケート実施については「現在は研究段階であり、議論の段階ではない」とのこと。進行中の戸別収集移行と有料化の関連性については、「令和9年度中の全域移行を目指しているが、有料化と関連付けている考えはない」との回答でした。

4.市役所のDX・AI活用、費用対効果は

  • オンライン申請:令和6年度末時点で、オンライン化可能な713手続のうち601手続をオンライン化(実施率84%)。
  • チャット導入の効果:相手の状況に左右されず情報共有できる点で、メール・電話に比べ効率的に業務ができている。
  • kintoneとAppSuiteの使い分け:庁外とのデータ連携はkintone、庁内完結の業務はAppSuiteを使用。両ツール合わせて年間約798万円で、活用状況を踏まえ十分な費用対効果が得られているとの認識。
  • 生成AI「minnectAIアシスト」:OpenAI社のGPTシリーズなど3種類の大規模言語モデルを利用可能。文章作成・添削、通知文書の要約、プログラミングコード生成、施策のアイデア出しに活用。令和7年12月1日時点で501人の職員が利用。ガイドライン・マニュアル整備、研修、個別相談会を実施。

再質問では、チャット導入による内線電話削減数(具体的な数値は未把握だが体感として減少)、ツール活用の成功事例集の職員への共有(個別相談会を通じて実施)、業務改善への表彰制度(デジタル活用に関する表彰制度は存在)を確認。個人情報の取扱いについては、デジタルに特化したガイドラインはないが、既存の個人情報保護・セキュリティ対策基準に基づき運用しているとのこと。生成AIの画像生成機能については、著作権侵害のリスクを考慮し現時点では利用を制限しているとの回答でした。

5.市公式SNSとLINE、目標設定となりすまし対策

  • フォロワー数の変化(令和6年9月〜令和7年9月):公式LINEが2253人増の2万6456人、公式Instagramが1857人増の1万1397人、公式YouTubeが789人増の3506人、公式Xが284人増の5760人、公式Facebookが225人増の4296人。防災ひらつかXは令和7年12月1日時点で8983人。
  • 数値目標(KPI):防災ひらつかチャンネルの動画再生回数以外、数値目標は定めていない。「数値で張り合ったり事業評価に用いたりするものではない」との方針。
  • Xの有料化(課金):現状は無料の140字投稿とスレッド機能で運用しており、有料化は現時点で予定なし。
  • YouTubeアカウントの整理:昨年12月以降、未使用アカウントの整理を進め、27個から4個減って23個に。
  • LINEの拡張戦略:市ホームページへの入り口という位置づけを維持しつつ、今年10月から画像を組み合わせたリッチメッセージ形式に切替え、発信回数の基準も整理。
  • 避難行動支援:地震・津波は予見が難しく、津波警報中は指定避難所が開設されないなどの事情があるため、ハザードマップ等での事前確認を周知する方針。
  • スーパーアプリ化:開発コストや運用の複雑化が懸念されており、まずは情報発信の見やすさ改善を優先。他自治体の動向を注視する方針。

再質問では、なりすまし対策として認証バッジの取得について、Xの有料プラン(月額980円程度)ではなく、横浜市が導入している無料の政府機関向けグレーバッジの活用を提案。市も既に情報を得ており、来年度に向けて研究を深めるとの回答を得ました。スレッド機能の一覧性の課題についても言及しましたが、既存の140字運用とグレーバッジ取得の検討で対応する考えが示されました。フォロワー数の年間目標設定は「内部的な数値目標はあるが、他市と競う指標としては使わない」との従来方針を維持。座間市のようなLINE上での住民票申請・決済完結(スーパーアプリ化)については、「他自治体の導入状況や費用対効果、技術動向を見ながら研究したい」との回答でした。

まとめ

神大跡地の問題は、平塚市側も交渉の限界を認めつつ、今後のまちづくりへの協力を組合・大学に求めていく段階です。ホール・公民館の柔軟な運用、ごみ袋有料化、DX・AI活用、SNS・LINEの機能拡充は、いずれも「検討中」「研究中」の答弁が多く、費用対効果や市民ニーズを踏まえた具体的な進展を引き続き注視していきます。