平塚市民の税金1万円は何に使われている?2026年度予算を分かりやすく整理

「自分が払った税金は、何に使われているんだろう」

市議会議員をしていると、よく聞かれる質問です。

平塚市の2026年度一般会計当初予算は、1,065億8,000万円。金額が大きすぎて、数字だけを見ても暮らしとのつながりが分かりにくいと思います。

そこで今回は、一般会計の使い道を1万円に縮めて整理しました。

先に、大切な注意点です。

実際には、私たちが納めた市税だけを分けて「この道路に使った」「この保育所に使った」と追跡することはできません。市税、国や県からの支出金、施設の使用料、市債などを合わせて、市全体の事業を支えています。

この記事の1万円は、「市民一人が納めた市税1万円の行き先」ではなく、平塚市の一般会計全体を1万円に置き換えた場合の使い道です。

1万円のうち、福祉や子育てに4,837円

結論から見ると、1万円の使い道は次のようになります。

福祉・子育てなど 4,837円

学校・公民館など 1,032円

ごみ処理・健康づくりなど 990円

道路・公園・まちづくりなど 898円

防災対策・市役所の運営など 860円

消防・商工・農業・議会など 745円

市の借金の返済 638円

使い道1万円に換算構成比の目安
福祉・子育てなど(民生費)4,837円48.4%
学校・公民館など(教育費)1,032円10.3%
ごみ処理・健康づくりなど(衛生費)990円9.9%
道路・公園・まちづくりなど(土木費)898円9.0%
防災対策・市役所の運営など(総務費)860円8.6%
消防・商工・農業・議会など(その他)745円7.4%
市の借金の返済(公債費)638円6.4%
合計10,000円100%

※平塚市が公表した「市民1人当たりの予算」を基に、一般会計歳出を1万円へ換算しました。端数は合計が1万円になるよう調整しています。

約半分は福祉・子育て・生活支援

最も大きいのは「民生費」で、1万円のうち4,837円です。

民生費には、保育所の運営や児童手当、障がい福祉、高齢者福祉、生活保護などが含まれます。対象となる方だけに関係するように見える制度もありますが、出産、子育て、介護、病気、失業などは、誰の暮らしにも起こり得ます。

自治体の予算は、困ったときに生活を支える仕組みに多く使われています。民生費が一般会計の半分近くを占めていることは、現在の市の役割をよく表していると思います。

社会保障に必要なお金は今後も増える可能性があります。制度を続けるためには、本当に必要な人へ支援が届いているか、同じような事業が重なっていないか、効果を確認していく必要があります。

教育には1,032円

教育費は1,032円です。

小中学校の運営、校舎や体育館の整備、学校給食、図書館、公民館、スポーツ施設などに使われます。

2026年度には、小中学校体育館への空調機設置や、小学校の特別教室・教育相談室への空調整備も進められます。学校施設は子どもたちが毎日過ごす場所であると同時に、災害時の避難所にもなります。

建物や設備を造った後は、修繕や更新にも費用がかかります。新設の判断と同じくらい、今ある施設をどう長く使うかという視点も欠かせません。

ごみ処理や健康づくりには990円

衛生費は990円です。

ごみの収集・処理、予防接種、健康診査、母子保健、環境対策など、日々の暮らしを下支えする仕事が含まれています。

普段は意識しにくい分野ですが、ごみが決められた日に回収されることや、感染症対策を受けられることは、行政サービスが動いているからこそ成り立っています。

平塚市民病院への一般会計からの支出も衛生費に含まれます。市民病院の経営状況と、市民に必要な医療をどう維持するかは、今後も議会で確認したい重要なテーマです。

道路・公園・まちづくりには898円

土木費は898円です。

道路や橋、公園、河川、市営住宅、駅周辺のまちづくりなどに使われます。

道路の穴や傷んだ舗装、公園設備の故障は、市民の皆さんからご相談をいただくことが多い分野です。新しい整備は目立ちますが、日常の維持管理にも継続的な予算が必要です。

2026年度は、平塚駅南口広場の改修に向けた実施設計や、東海道本通り線の舗装打ち替えなども予定されています。事業の金額に加え、完成後に人の流れや安全性がどう変わったかまで見ていきたいと思います。

市役所の運営や防災対策には860円

総務費は860円です。

戸籍や住民票、税の徴収、選挙、情報システム、市役所の庁舎管理、防災対策、市の広報など、行政全体を動かすための経費です。

「事務に使うお金」と聞くと、減らせるのではないかと感じる方もいると思います。もちろん、手続きのデジタル化や重複業務の見直しは必要です。

ただ、防災や個人情報の管理、住民票の発行など、止められない仕事も多くあります。一律に経費を削るのが答えではありません。市民の利便性を保ちながら効率化できたかを見ていきます。

638円は過去に借りたお金の返済

公債費は638円です。

道路や学校など、長い期間使う施設を整備するとき、市は「市債」という借金をすることがあります。今住んでいる世代だけで全額を負担せず、将来その施設を使う世代にも負担してもらう考え方です。

借金がすべて悪いわけではありません。ただし、返済が増えすぎると、新しい事業に使えるお金が減ります。

平塚市は2026年度末時点で、一般会計の市債残高を約558億385万円と見込んでいます。基金、いわゆる市の貯金は約144億7,761万円の見込みです。残高を見るときは、何のために借りたのか、返済できる範囲かも確認する必要があります。

1万円の財源は、市税だけではありません

使い道と合わせて見てほしいのが、「その1万円をどこから集めているか」です。

財源1万円に換算
市税4,712円
国・県支出金2,697円
使用料・手数料、財産収入、繰入金など1,109円
地方消費税交付金・地方譲与税など1,024円
市債458円
合計10,000円

2026年度の市税収入は502億2,062万円で、初めて500億円を超える見込みです。それでも、一般会計全体に占める市税の割合は約47.1%です。

残りは国や県からの支出金、交付金、施設の使用料、市債などで賄います。市の事業は、市民税や固定資産税だけで動いているわけではありません。

国や県の補助金を活用すれば市の負担を抑えられる場合があります。ただ、補助金の対象になるという理由だけで事業を始めると、後年の維持費が市の負担になることもあります。財源の有無と、事業そのものの必要性は分けて考えたいところです。

金額の大きさだけで判断せず、効果まで見たい

今回の1万円換算で分かるのは、予算の大まかな配分です。

ただし、金額が大きいから無駄、少ないから重要でないとは限りません。支援を必要とする人数や、施設の規模、国が定めた制度などによって、必要な金額は変わります。

議会で確認すべきなのは、「いくら使うか」だけではありません。

  • 誰のための事業なのか
  • 何を改善するために使うのか
  • 使った後、どんな効果があったのか
  • 将来の維持費や更新費はいくらかかるのか

こうした点を、予算と決算の両方で見ていく必要があります。

僕自身も、市の資料に並ぶ大きな数字を、そのままお伝えするだけでは不十分だと感じています。市民の皆さんが「自分の暮らしにどう関係するのか」を考えられる形に直して、これからも発信していきます。

計算方法と参考資料

この記事は、平塚市が公表した2026年度当初予算と、広報ひらつか2026年4月第1金曜日号を基に作成しました。

使い道の換算は、市が公表した市民1人当たりの一般会計歳出41万3,726円を基準にしています。各項目の1人当たり予算を41万3,726円で割り、1万円を掛けました。

財源の換算は、一般会計1,065億8,000万円に占める各財源の割合を使っています。表示額は端数を調整しているため、実際の予算額とは数円程度の差が出る場合があります。