2026年9月議会で何が決まる?平塚市民の暮らしへの影響を整理

平塚市議会では、8月25日から9月29日まで、2026年9月定例会が開かれています。

議案書には条例名や事業名が並びますが、それだけでは、私たちの暮らしにどう関係するのか分かりにくいものです。そこで今回は、9月23日時点の資料をもとに、主な内容を整理します。

最初に大切な点をお伝えします。9月議会の案件には、すでに可決された補正予算と、現在も審議中の案件があります。審議中のものは、9月29日の本会議最終日に表決される予定です。

まず全体像――36件の案件と追加議案が提出予定

市の発表では、今議会に3件の決算認定、4件の報告、29件の議案、合計36件が提出される予定です。このほか、教育委員会委員などの人事や功労者表彰に関する追加議案も予定されています。

主な論点は、物価高騰への対応、高齢者の補聴器購入費助成、救急体制の強化、市民病院への生成AI導入、子育て関係の条例、道路や公共施設の整備です。

すでに可決――物価高騰対策に7,942万3千円

議案第58号の一般会計補正予算は、すでに可決されています。補正額は7,942万3千円です。

使い道は次の4分野です。

対象内容補正額
民間保育所など光熱水費の高騰分を助成2,340万5千円
認定農業者・認定新規就農者スマート農業の導入支援939万9千円
市内事業者などDX導入支援と中小貨物運送事業者の燃料高騰対策3,491万9千円
私立幼稚園など光熱水費の高騰分を助成1,170万円

保育所や幼稚園への支援は、利用者へ直接現金を給付するものではありません。物価高騰の中でも施設運営を続けられるようにする支援です。

市内事業者向けには、ITコーディネーターの派遣やDX導入への補助、中小貨物運送事業者への燃料高騰対策が盛り込まれています。対象条件や申請方法が示されたら、改めて分かりやすくお知らせします。

審議中――高齢者の補聴器購入費を最大6万円助成

現在審議されている補正予算案には、高齢者の補聴器購入費を助成する新しい事業が入っています。予算額は60万円です。

市の説明では、購入費の2分の1、上限6万円を助成する想定です。標準的な補聴器の価格を12万円として事業を組み立て、本人に合う補聴器を使ってもらうための仕組みも設けるとしています。

補聴器は、単に音を大きくするだけの道具ではありません。会話や外出の機会を保ち、社会的な孤立を防ぐという意味もあります。

一方、予算額から単純計算すると、上限額で助成した場合は10人分です。対象年齢、所得要件、医師の診断が必要か、募集方法はどうなるのか。制度が始まるまでに確認したい点があります。

全救急隊に自動胸骨圧迫器を配備

救急体制では、自動胸骨圧迫器を全救急隊に配備するため、3,553万7千円が計上されています。

心肺停止の傷病者を搬送するときは、胸骨圧迫をできるだけ途切れさせないことが重要です。しかし、狭い階段や搬送中の救急車内では、隊員が手で圧迫を続けることが難しい場面があります。

自動胸骨圧迫器を使えば、現場から病院まで圧迫を続けやすくなります。隊員が薬剤投与など別の救命処置に当たれることも期待されています。

市長会見では、平塚市内で心肺停止に対応するケースが年間約350件あるとの説明がありました。機器を導入した後は、使用件数や救命への効果も確認していく必要があります。

市民病院が生成AIを導入――予約変更の電話にも活用

平塚市民病院では、電子カルテと連携する生成AIシステムの導入に1,500万円が計上されています。

診療情報提供書や看護サマリーなどの文書作成を支援し、医師や看護師の作業時間を短縮する計画です。診療予約の変更をAIの自動応答で受け付ける仕組みも予定されています。

予約変更の受付時間を気にせず連絡できるようになれば、利用者にとっても便利です。ただし、医療情報は特に慎重な取扱いが必要です。生成AIがどの情報を扱うのか、内容を誰が確認するのか、誤りが生じたときにどう対応するのかも重要になります。

導入そのものを目的にせず、職員の負担軽減と患者サービスの改善につながったかを、数字で検証してほしいと思います。

子育て関係では「誰でも通園制度」などの基準を整備

子育て分野では、放課後児童クラブ、保育施設、家庭的保育、乳児等通園支援事業に関する条例改正が提出されています。

このうち乳児等通園支援事業は、一般に「こども誰でも通園制度」と呼ばれています。保護者の就労状況にかかわらず、保育所などを一定時間利用できる制度です。

今回の議案は、施設の運営や設備に関する基準を国の基準に合わせて整える内容が中心です。制度を安心して利用できるようにするための土台ですが、利用者にとって大切なのは、どの施設で、いつから、何時間利用できるのかという点です。実際の利用方法が固まった段階で、別の記事にまとめます。

夕陽ケ丘保育園の移設に伴う条例改正も提出されています。また、小中学校の適正規模などを検討する委員会について、名称と担当する事務を変更する議案もあります。

道路、体育館、公園にも予算

9月の補正予算案には、道路施設の改修に1億3,870万6千円、公園施設の維持管理に815万9千円、総合公園の管理運営に3,988万6千円などが計上されています。

平塚総合体育館の第2体育室へ空調設備を設置する工事については、1億8,735万2千円で契約する議案が提出されています。

消防指令システムと消防救急デジタル無線設備の契約額は15億7,850万円です。金額が大きいだけに、更新の必要性だけでなく、導入後の機能や運用期間、維持費まで確認することが大切です。

ごみ袋有料化を決める議案ではありません

議案の一覧には「平塚市廃棄物の減量化、資源化及び適正処理等に関する条例の一部を改正する条例」があります。

名称だけを見ると、ごみ袋の有料化に関する議案のように感じる方がいるかもしれません。しかし、市の説明では、国の法律改正に伴って規定を整える内容です。今回の議案で家庭ごみ有料化を決めるものではありません。

紛らわしい議案ほど、名称だけで判断せず、中身を確認して伝えていきます。

2025年度の税金の使い方も審査しています

9月議会では新しい予算だけでなく、2025年度に予算がどう使われたかを確認する決算審査も行われています。

予算は「これから何に使うか」、決算は「実際に何へ使い、どんな結果が出たか」を確認するものです。事業を実施しただけで終わらず、当初の目的を達成したのか、想定より費用が増えていないかを点検する重要な機会です。

最終的な結果は9月29日後に追記します

この記事は2026年9月23日時点の情報で作成しています。

議案第58号の一般会計補正予算はすでに可決されていますが、そのほかの主な議案は審議中です。本会議最終日は9月29日に予定されており、委員長報告、討論、表決が行われます。

議会の資料は、制度名や金額が並んでいて、暮らしとのつながりが見えにくいことがあります。だからこそ、「誰に関係するのか」「何が変わるのか」「いくら使うのか」を、これからもできるだけ分かりやすく伝えていきます。

表決結果が出た後、可決・否決の結果と、審査で分かったことをこの記事に追記します。

参考資料